2020年1月18日&19日に、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートの会場としても知られるウィーンのムジークフェラインで行われた、ジョン・ウィリアムズが初めてウィーン・フィルを指揮した歴史的なコンサート
ジョン・ウィリアムズの作曲した映画音楽は、史上最も愛されている音楽のひとつであり、5つのアカデミー賞、5つのエミー賞、4つのゴールデン・グローブ賞、25のグラミー賞など、数えきれないほどの名誉ある賞を受賞してきた。このコンサートでは最初の音が演奏される前から、ウィリアムズは熱狂的なスタンディング・オベーションを受けた。その熱狂に対して彼は、ウィーン・フィルとの共演への招待は「私の人生で最も素晴らしい栄誉のひとつ」であると感謝の言葉を述べた。
コンサートの前半は、昨年発売のアルバム『アクロス・ザ・スターズ』でコラボレーションしたヴァイオリンの女王、アンネ=ゾフィー・ムターも参加した。彼女は「オーケストラのメンバーが、こんなに音楽の喜びをもって演奏しているのを見ることは、そうそうあることではありません。本当に素晴らしい!」と語った。
ムジークフェラインの公演の数週間後に88歳の誕生日を迎えたウィリアムズは、伝統の牙城であるウィーン・フィルが自作の演奏にどのように適応するのか確信が持てなかったことを認めた。「こんなに嬉しい驚きはありませんでした」と公演の後に彼は言った。「全てのスタイルの音楽を演奏する彼らの優れた妙技と素晴らしい能力について、オーケストラを称讃しなければなりません」
リハーサル中にもう一つの嬉しい驚きがありました。ウィーン・フィルの金管楽器奏者たちが、スター・ウォーズの「帝国のマーチ」をプログラムに追加できないかと尋ねてきたのです。彼らのセンセーショナルな演奏は、オーケストラと作曲家の間の親密さと愛情をさらに際立たせました。「正直言って、これまで聴いた“帝国のマーチ”の中で最高の演奏のひとつでしたよ」とウィリアムズは振り返った。「彼らは、まるで自分たちの作品を演奏するように演奏しました。プログラムの最後に演奏する機会を与えてくれたことにとても感謝しています」( G.Grammophon情報)
ウィーンの歴史的コンサートホール ムジークフェライン ゴールデンザールでいわゆるポップスが演奏されたのは、知っているところではオスカー・ピーターソンのカルテットが2003年の11月に行ったのみですが、ウイーン・フィルとジョン・ウイリアムスの組み合わせによる映画音楽が演奏されたのは驚きでした。しかもソロでムターが起用されたのは何とも洒落た企画でありました。日本の久石譲がジブリの映画音楽をヨーロッパ各地のオーケストラで指揮をしていたのは聞いたことがありますが、これもなかなか良かったですが、相手がウイーン・フィルとなればジョン・ウイリアムスしかいないでしょう。彼の作曲とオーケストレーションの素晴らしさ、ウイーン・フィルとムターの演奏の上手さは正に天国的なサウンドと言えるのではないでしょうか。
John Williams in Vienna
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
13 本の音源 CD
https://www.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lScC9jd11KDxIGJKLiFs00xdQGZnqcd9o CD
https://www.youtube.com/watch?v=LixG82u6fe4 動画
https://www.youtube.com/watch?v=LixG82u6fe4&list=RDLixG82u6fe4&start_radio=1The Flight to Neverland (From "Hook")
Excerpts (From "Close Encounters of the Third Kind")
Devil's Dance" from "The Witches of Eastwick"
Adventures on Earth (From "E.T. the Extra-Terrestrial")
Theme (From "Jurassic Park")
Dartmoor, 1912 (From "War Horse")
Suite (From "Jaws")
Marion's Theme (From "Indiana Jones and the Raiders of the Lost Ark")
Main Title (From "Star Wars: A New Hope")
The Rebellion is Reborn (From "Star Wars: The Last Jedi")
Luke & Leia (From "Star Wars: Return of the Jedi")
Imperial March (From "Star Wars: The Empire Strikes Back")
Raiders March (From "Indiana Jones and the Raiders of the Lost Ark")
01. ネヴァーランドへの飛行(『フック』から)
02. 『未知との遭遇』から抜粋
03. 悪魔のダンス(『イーストウィックの魔女たち』から)
04. 地上の冒険(『E.T.』から)
05. 『ジュラシック・パーク』のテーマ
06. ダートムア、1912年(『戦火の馬』から)
07. 鮫狩り - 檻の用意!(『ジョーズ』から)
08. マリオンのテーマ(『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』から)
09. メイン・タイトル(『スター・ウォーズ/新たなる希望』から)
10. レベリオン・イズ・リボーン(『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』から)
11. ルークとレイア(『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』から)
12. 帝国のマーチ(『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』から)
13. レイダース・マーチ(『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』から)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ジョン・ウィリアムズ(指揮)
アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン3 & 13)
録音時期:2020年1月
録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール